吉田修一『アンジュと頭獅王』
吉田修一『アンジュと頭獅王』メモ
p4
「人の幸せに隔てがあってはならぬ。慈悲の心を失っては人ではないぞ」
p78
人は時、時は人、
権現様のお許し以来、赤線青線に立つのは飯盛女
省線の引き込みに並ぶバラックに散る花は、千代に八千代に千年桜、
吉原・洲崎を打ち過ぎて、オリンピックの御一新、
p79
磯の香りの品川宿に立つ泡は、けいきけいきと音を立て、
神武・綏靖・安寧・懿徳、
皮籠は揺られて、ほうれほれ。
頭獅王恋しや、ほうれほれ。
明治・大正・昭和・平成、
皮籠は揺られて、ほうれほれ。
令和恋しや、ほうれほうれ。
銀座・赤坂・四谷を打ち過ぎて、
p80
内藤新宿とはこれとかや。
感想
パークハイアットのお部屋に置いてあったので読んだ。
なんだろうどことなく古川日出男の本を読んでるような感覚になりながら一気に読んだ。
時をかけていく描写が痛快で、文体が軽快で面白い。
写真が入ってたり、1ページの使い方が斬新だったりしてエンターテインメント性あったな〜〜
古典がベースにありながら新しい。不思議な感覚。
途中、記憶がごっちゃになって、かるかやさんでてくるかなと思ってたけど苅萱はまた別の話だった。あと、古典ベースだと『九つの、物語』思い出す。
26歳最後に読んだ本